先々週のニュースで、ビットコインの価格が300万円に到達したことを取り上げたが、一週間足らずで400万円を突破した。仮想通貨史に残るこの上昇曲線は一体いつまで維持されるのか、先週のチャートとニュースから分析していこう。
先週のビットコインチャート(1月4日~1月10日)
こちらが先週のビットコインチャートだ。
週初めは少し上下した場面もみられたが、その後は右肩上がりで価格を伸ばし7日深夜から8日未明にかけて価格を400万円の大台に乗せた。
一週間足らずでの100万円の上昇に驚きを隠せないが、一体何があったのだろうか。
先週のニュースからも状況を詳しく確認していこう。
トピック:ビットコインが400万円に急騰
今月7日、ビットコインが400万円を突破した。1カ月足らずで価格が2倍に上昇しており、異常なまでの上昇具合だ。
さらに今回の急騰の影響で仮想通貨市場全体の時価総額が1兆ドル(約104兆円)を超え、仮想通貨が投資対象としての地位を築き上げているのがわかる。
また、コインゲッコーのデータによると仮想通貨の時価総額はこの1年間で5倍になっており、ビットコイン単体では4倍超となっているようだ。
この1年間の高騰は2017年のものとは異なり、paypalやsquare社などの機関投資家の参入が主な原因だと考えられるため、大きな暴落は考えにくい。また、世界的な金融緩和、ばらまき施策で巻かれている個人への現金が仮想通貨・株式に流れているという状況も考えられる。
とはいえ、少し上がり過ぎなので、ここらで投資家たちが利益を確定して暴落とまではいかないものの価格が下落する可能性もある。
トピック:paypalのビットコイン売買量が2カ月で5倍に増加
米大手決済企業paypalが提供しているビットコインサービスの24時間出来高が1億ドル(約110億円)を突破したそうだ。
paypalは2020年11月より、ビットコインをはじめとした仮想通貨の売買サービスを開始し、ビットコインの出来高は当初の2000万ドルから5倍増の1億ドルまで急増。それだけビットコインの需要が上がってきていることがわかる。
また、現時点では米国限定のサービスだが、今後海外にもサービスを展開していけば、より出来高が増加する可能性が充分にある。
ここ最近のビットコインの急騰は機関投資家だけでなくpaypal利用者などの個人投資家の資金流入も少なからず影響しているだろう。
トピック:金からビットコインに投資家が大量流入
最近、連日のように高値を更新し続けるビットコインだが、その原因は金から投資家が大量に流入していることかもしれないという仮説を一つ紹介したいと思う。
これまでビットコインと金価格は連動していたが、先週の6日辺りから金価格が下落し始めているのに対してビットコイン価格はその期間上昇を続けている。
これに関してバイトツリーCIOのチャーリーモリス氏は、金の下落は投資家たちがビットコインに移行しているためだと指摘した。
多数の投資家が金からビットコインに移行しているということはそれだけビットコインが投資対象としての地位を確率したことを表している。
しかし、この金価格とビットコイン価格のズレはバブルの影響もあるため、一時的なものである可能性が高くしばらく様子をみた方が良いだろう。
まだまだ、安全資産としてビットコインをみるのはリスクが大きい。
金とビットコイン、2つとも随時チェックしていく必要がある。
先週のまとめと考察
昨年終盤から連日のように高値を更新してきたビットコインだが、今回のバブルはここらで落ち着くのではないのかと考えている。
もちろん今後、長い目でみるとまだまだ価格は上昇する余地はあるのだが、先週の上昇で400万円を突破した辺りから、徐々に利益確定の動きが始まりつつあると感じた。
しかし、この歴史的なバブルが落ち着いても機関投資家たちの動きなどを見ていると2021年はビットコイン史に残る年になる予感がする。
これからも随時、ニュースやチャートをチェックしていく必要がありそうだ。