価格変動が比較的落ち着いていたビットコインとは対照的に、動きの大きかった先週の各種アルトコイン。なかでもイーサリアムは過去最高を更新する上昇トレンドであった。今回は、イーサリアムの近況に加えて、NFT関連の話題、LINEブロックチェーンについての最新ニュースを詳しく解説する。
トピック: 日本暗号資産協会、NFTガイドラインを公開
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、先週、NFT(非代替性トークン)のガイドラインを公表した。
JCBAの廣末会長は、NFTは広義の暗号資産ビジネスにとって非常に有望な事業機会になると強調。今回のガイドライン作成で「多くの事業者による参入を促して、暗号資産業界の発展の一助にしたい」と語る。
ガイドラインでは、フローチャート形式で有価証券や暗号資産にあたるかの判断材料を示すほか、NFT関連のサービスを展開する際に考慮するべき点を取り上げている。NFTを保管する際のセキュリティ、マネーロンダリング対策などについて細かく取り上げている。
NFTはゲーム内での利用が多いことから、ガイドライン作成にあたってはコンピューターエンターテインメント協会や日本オンラインゲーム協会とも意見交換をしたという。
今後はさらに実用可能なルールを作って、ガイドラインをアップデートさせていく考えだ。
トピック:イーサリアムの時価総額がディズニーを超える
イーサリアムの価格は上昇し続け、30日には30万円を突破した。イーサリアムが注目を集める要因として、以下のものがある。
・カナダの証券取引所で取引されるETF(上場投資信託)が相次いでいる
・7月に予定の大型アップデート「ロンドン」ハードフォーク
・Uniswap「V3」にローンチ直近
・NFTやDeFi市場の活況
・イーサリアム2.0
イーサリアムはETFの上昇を受け、時価総額37兆円規模に達した。株式ではないため単純比較はできないものの、様々な資産クラスの市場価値を比較するAsstDashではディズニーを抑えて24位に浮上(ビットコインは6位)。
トピック:LINEブロックチェーンが2021年のプロジェクト計画を発表
LINE Blockchainは4月30日、2021年のプロジェクト計画を発表した。LINE Blockchainの独自トークンである「LINK(LN)」の新規上場などの複数の計画を明かしている。
LINKは、LINE Token Economy構想において、インセンティブ設計としての利用を目的としたトークンである。メインネットのLINE Blockchainで構築するdApps(分散型アプリケーション)などの様々なサービスで利用できる。
dApps(分散型アプリケーション)とは、「Decentralized Applications」の略称だ。これは中央集権的な管理者が存在しない、分散型のアプリケーションのことである。
アプリの仕組みが公開されているオープンソースで、ブロックチェーン技術を利用しているのも特徴の1つだ。現在イーサリアムのブロックチェーンがdApps開発のためのプラットフォームを提供し、数多くのdAppsがイーサリアム上で運用されてきた。
今回のプロジェクト計画でLINKは、決済事業者との提携やNFT関連のサービス拡大に加えて、dAppsの拡大にも力を入れる。フィンテックやゲームなど様々な分野で、LINE Blockchainが基盤のdApps構築を目指して大型サービスと提携していくという。
まとめ:1週間の動き、長期トレンド交えた今後の展望
先週はビットコインよりもアルトコインの方が盛り上がった週であった。特に、NFT関連が着実に勢いを増してきている。暗号資産ビジネスにおいて有望だと強調されており、今後の動向から目が離せない。
イーサリアムの過去最高の時価総額を更新し、LINE Blockchainも今年は様々な分野で力を入れようとしている。今後も、アルトコインを注意深く観察していきたい。