先週は、中国での恒大集団の債権問題と暗号資産全面禁止のニュースで持ちきりとなった。
影響はビットコインをはじめとする仮想通貨に大きくあらわれ、価格を10%ほど落としたアルトコインもある。
今回は中国の恒大集団の影響を取り上げるとともに、アルトコイン関連で2つの明るい兆しを感じるニュースを紹介していく。
トピック:中国の恒大集団債権問題でアルトコイン全面安
中国で大手不動産として知られる恒大集団(Evergrande Group)に、33兆円もの負債があることが発覚。
経営危機が続く中、一部の子会社が資金繰りの悪化によって事業停止に追い込まれている。この巨額負債がもたらす影響は、恒大集団ファミリーに限ったことではない。
世界中の金融市場に大きな影響を与え、ビットコインも一時445万円台まで急落を見せている。
恒大集団の影響によって先週の仮想通貨は全面安となった。
アルトコインはビットコインほどではないが、値下がりを見せイーサリアムは一時3000ドルを下回っている。
さらに仮想通貨界隈では恒大集団の債権問題だけでなく、中国の仮想通貨全面禁止のニュースも大きな影響を与えた。
これらは一時的な影響で徐々に持ち直すと見られているが、恒大集団の債権不履行問題に関しては今後も注視していかなければならない。
トピック:話題のNFT、イーサリアムとソラナの間で送信可能に
世界中の金融市場に激震を与えた中国問題の一方で、アルトコイン界隈にもいくつか明るいニュースがある。
最近特に注目を集めているNFTが、イーサリアムとソラナ間で送信ができるようになるというニュースもその一つだ。
異なるブロックチェーンどうしをつなぐプロトコルである「wormhole」が、24日に同ニュースを発表。
wormholeは現在初期バージョンが公開中で、今後アップデートをしていく予定だ。
異なるブロックチェーン間でのNFT送信が可能になれば、世界中のアートやミュージック関連の作品をひとまとめにできるようになる。
その皮切りが、イーサリアムとソラナになるということだ。
wormholeの動向が今後のイーサリアムとソラナの価格に影響を与えることは間違いないだろう。
トピック:ソフトバンク主導の資金調達ラウンドで、Sorareが約745億円調達
もう一つNFT関連のニュースだ。
NFTを使って、仮想のサッカーチームを売買取引できるファンタジーゲームを制作・提供するSorareが約745億円の資金を調達した。
ソフトバンクによる資金調達ラウンドでのことだ。元イングランド代表のリオ・ファーディナント氏などのサッカー選手たちも資金提供をしている。
同サッカーゲームでは、選手のライセンスカードを購入することで自分のチームを作成することができ、それを使って対戦ができるようになっている。このライセンスカードにNFTが利用されている。
実在する選手のライセンスカードは、ファンやコレクターにとって喉から手が出るほど欲しいアイテムとなる。最高値を記録したのはクリスティアーノ・ロナウド氏のカードで、日本エデン約3200万円の値で購入されている。
Sorareは今回の資金調達を経て今後米国内にてオフィスを展開し、ゆくゆくはサッカー以外のスポーツにも同事業を展開していく予定だ。
NFTは今後ますます注目を集めていくだろう。
先週のまとめと今後の見通しの考察
中国問題を受けてアルトコインの中には一時10%もの急落を見せたものもある。
中国当局の仮想通貨全面禁止の影響は一時的なものだといえるが、恒大集団については依然として債務不履行問題が残っており、今後の動向がさらなる影響を与える可能性もある。
このため中国に関するニュースからは目が離せない時間が続く。
最後に中国政府の動きに対する個人的な見解を述べる。もともと安価で手に入る電気代で無限にお金を生むことができるため、これまで特に口出ししてこなかった仮想通貨産業が活発になってしまった。結果、電気不足の要因になってしまったため規制に踏み出したのではないかと予想できる。
また、デジタル人民元導入へ向けた布石なのかもしれない。
一方で、特にNFT界隈の盛り上がりがまだまだ続いていることを示す明るいニュースも舞い込んできた。
NFTについては今後もしっかりと動向を見つめていきたいところだ。