「NFT」「マーケットプレイス」で検索をかけると、連日新しいマーケットプレイスが続々と誕生していることがわかる。
NFTマーケットプレイスは、NFTクリエイターが自身の作品を販売したり、その作品を購入したりできる場所だ。NFTをやりとりする上では欠かせない存在であるNFTマーケットプレイスだが、今回はそこに焦点を当てながらNFTの将来性について考えていく。
NFTマーケットプレイス界のビッグネーム「OpenSea」
まず、NFTマーケットプレイスの中で最も大きな力を持っている「OpenSea」については、ある程度知っておかなければならない。
2017年に誕生し、時代に先駆けてNFT作品の販売等を行ってきた「OpenSea」は、今年8月にNFTの取扱高が30億USDを超えた。この数字は、その時までに記録されていた最高値の約10倍にもなるという。これだけでもNFT市場が巨大になっていることがよくわかる。
仮想通貨を取り扱うコインベースやバイナンスも同じようにNFTを扱う事業に取り組んでいるため、競合という扱いにはなっているが、NFTマーケットプレイスで最も名前を馳せているのは今のところ「OpenSea」に間違いない。
リリースが相次ぐNFTマーケットプレイス
今月に入って、国内でもNFTマーケットプレイスのリリースが相次いでいることをご存じだろうか?
9月に事前登録を開始し登録数が10万件を超えるほどの人気となった「MetaMart」は、3日にβ版を正式にリリースした。「MetaMart」では3Dやメタバース関連の作品を中心に取り扱っている。
作品はARを利用して世界観を体験できるビューイングができるなど、最近話題のメタバースに特化しているといえる。
7日には、国内NFTゲームの中でも有名な「PolkaFantasy」もβ版のNFTマーケットプレイスをリリースしている。日本のアニメやコミック、ゲームなどのポップカルチャーに大きく特化している同プラットフォームでは、日本語だけでなく、英語や中国語などの主要言語に対応しているため、クリエイターたちがつくり出した唯一無二の作品を世界へ発信することができる。
紹介したのは国内のマーケットプレイスのリリースだが、海外でも毎日新たなプラットフォームが誕生している。特徴としては、どのマーケットプレイスも「ある分野」に非常に特化しているということだ。
爆発的に市場が拡大し興味関心が増えた分、ユーザーの確保をするために強豪との差別化をはかっているのだろう。今後もNFTマーケットプレイスは続々と増えていき、そして競い合いの中で成長をしていく。
その中で日本の企業の中からも「OpenSea」のようにビッグネームが誕生することが期待される。
気になるのはNFT市場が今後どうなっていくか
NFTのニュースを見ていると気になるのは、「このブームは一過性のものではないか」ということだ。
稚拙な例かもしれないが、以前タピオカが大きなブームを起こし関連店舗もたくさん誕生した。しかし1年も経たないうちに忘れ去られ、あっという間に廃業した店舗も数えきれないほどある。
NFTは今後、どのようになっていくのか。美術作品や音楽は人間の生活と共に常にそばにあった。技術の進化に伴って誕生したゲームは、エンターテインメントとして大きな役割を果たしている。
日本では特に、そうした作品に関わるクリエイターたちが必ずしも相応の対価を得てきたとは言えない。日本の大きな特色であるアニメ産業を支えるクリエイターたちは、信じられないような労働搾取をされていることもあると聞く。
そんな中でNFTは一筋の光になり得るのではないだろうか。クリエイターたちが生み出す生活を彩る作品たちの価値を守り、そして伝えていく一つの手段として、NFTは大きな意味を持っていると言えるだろう。
つまり、クリエイターたちが作品を生み出し続ける限りNFT市場がタピオカ屋のように消失することはない。大きなうねりを持つ市場の中で、自分の作品をどうブランディングして固有のものにしていくか、今度はクリエイターたちが模索していくことになるのではないだろうか。